Powerman 5000 - Copies*Clones & Replicants
- アーティスト: Powerman 5000
- 出版社/メーカー: Cleopatra
- 発売日: 2011/08/30
- メディア: CD
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一言で表現するならエレクトロ・ロック。Daft Punkに対するアメリカからの回答というか……。Daft Punkの「Human After All」の続きというかね。ダフト・パンクが3rdでジグジグ・スパトニックと上手くフレンチ・ハウスを融合出来なかったところを補完している。まぁ補完というより、俺らもダフト・パンクみたいなことをやりたいけど、俺らアメ公だしカントリー音楽が……。垢抜けず、ダフト・パンクように狙った田舎くささは表現できない。だがそれがいい。そんな風なのでDEVOとかヴァン・ヘイレン、Mといった80年代を代表するバンドの曲をカバーしているのだが、ダサいです。しかし原曲のダサさを拡大しまくってて逆にカッコいい。2010年代にもなってダサカッコいいという言葉を使うのもどうかと思うが、曲を聴くとそうとしか出てこないので、困ってしまう。
あと90年代後半のデジタル・ロックに通じるものを感じる。ハリウッドの漫画原作映画に流れてくる知性の欠片も感じさせないデジタル・ロック。今思うと、IDMに対するガバ&ユーロ・トランスという対立軸を越えた先にデジタル・ロックがあった。電脳時代の産業ロックここに極まりといった風。ということなので、ニューウェイヴのカバー曲なのに脳裏に浮かぶのは「スポーン」とか「ブレイド」等の漫画原作ハリウッド映画ばかり。特に「ブレイド」が強く再生される。「ブレイド」の冒頭(だったけかな?)シーン。さえない若者がクラブで踊ってたら急にスプリンクラーが作動し始めて、スプリンクラーから出てくるのは血というシーン。吸血鬼が集まるパーティだったというのを端的に表現するシーンなのだけど、そのシーンで鳴っていたTB-303鳴り響くデジロックがこのアルバムの曲達に替わっているオレの脳では。
図らずともダフト・パンクの3rd路線の先を行ってしまったアルバム。また90年代後半の偏差値低めなデジタル・ロックを引き継ぎ2010年代の産業ロックとも言える。何にも考えたくない時にお薦め。