The Young Gods – Live Sky Tour

Live Sky Tour

Live Sky Tour

スイスのインダストリアル・ロックバンドのライヴ盤。
スワンズの初期EP題名から取ったというのが解るように初期スワンズを引き継ぐバンド。しかし同時期のキリング・ジョークにも聴かれたトライバル・リズムは無く、ひたすら直線的なハンマービートが疾走していく。これはニッツアー・エブ、フロント242といった「EBM」勢に多く聴かれるビート構築(通称ボディ・ビート)でこのバンドもそのシーンから出てきている。だが多くのボディ勢が機械のビートであったのとは違い生ドラムであることから肉感度は同時期のどのボディ系よりも高い。
しかし、このライヴ盤が出た時期はもうEBMも下火でニッツアー・エブですら「スラッシュ・メタル」を取り入れたスタイルに移行していた。がこのバンドは最初からスラッシュ・ギターを鳴らしている所謂「インダストリアル・メタル」の開祖と呼んでも可笑しくないことから、その衰退に巻き込まれるどころか正当な評価を得られる状況だった。
このライヴアルバムは全編に亘って直線的に疾走する爽快感溢れるちょう傑作だろう。元になっているアルバム「T.V. Sky」がそうだったからだと思うが、その他のアルバムやシングルからの選曲もスラッシュな速いものでEBM全盛期のアルバムにあったオペラ調の曲は皆無。ひたすら疾走するインダストリアル・メタルでエレクトロニック・ボディ・ミュージックだ。
スワンズとワイズブラッド、そしてDAFの協演という趣。お薦め。