Die Sektor - Final Electro Solution

Final Electro Solution

Final Electro Solution

アメリカのダークエレクトロ系バンドの3rd。
前作は完全に00年代風ダークエレクトロだったが、今作は今一番熱いダブステップとダークエレクトロの融合。これには驚いた。KOЯNダブステップを取り入れたことである種の連中の注目のまとになったが…こうくるとは思わなんだ。
しかしいつごろからダブステップと呼ばれるジャンルが出てきたのだろうか?これは私的な回想になるが、2002年頃ではないだろうか。自分がこのジャンルを知ったのは、イギリスのリチャード・D・ジェームズ主宰のリフレックスというレーベルから出たコンピ「GRIME」だろうと思う。当時このコンピは買わなかったが、サイトで試聴してベースラインはダブではあるがジャングルっぽいなぁと思ったのを良く覚えている。また当時はまだジャンルが固まっておらず、グライム/ダブステップという括りだった。それがこんなに大きなジャンルに成長するとは思わなかった。だって2005年のオウテカのインタビューではダブステップのことを「90年代初期のハードコアみたいだ(ハードコアテクノのことを指していると思われる)」といってたし同年にリリースされたゴス・トラッドの「マッド・レイヴァーズ・ダンス・フロア」も当時はダブステップと称されたがどう聴いてもハードコアレイヴにしか聴こえなかった。完全に色物扱いだった。
だからこのアルバムを聴くと冗談で始まったようなジャンルが10数年に亘って生き続け、しかも独自の進化をしてきたことが解った。というか様々なジャンルと融合して、10年前とは違ってきている。メタル・ステップなんかがいい例だろう。このアルバムも喰い合わせが悪くなく、見事にダークエレクトロと融合している。
ダークエレクトロとダブステップとの融合は成功に終わった。ここのところのJK Fleshなどを見ている限りこのジャンルは一時の流行ではなく伸びていくだろう。お薦め。