URBAN DANCE - テクノ歌謡DX(12)アーバン・ダンス

テクノ歌謡DX(12)アーバン・ダンス

テクノ歌謡DX(12)アーバン・ダンス

日本のエレクトロバンドの1st。
これは日本初のEBMではないでしょうか?YMO高橋幸宏さんがプロデュースしているみたいだが、どこか柔らかかったYMOとは違い金属的なビートやDAF、ディークルップスやトミーシュタンプを思い起こさせるような展開がEBM。メロディは後期YMOの「テクノデリック」辺りを匂わす、くすんだ和音が主だが前述したジャーマン・ニューウェイヴなエレクトロニック・ボディ・ミュージックが入ってくる。YMOの「テクノデリック」をコニー・プランクがリミックスしたらこうなるのではという出来。日本のEBMといえばソフト・バレエが真っ先に挙がると思うが、ソフト・バレエはデペッシュ・モードの哀愁や耽美、ニッツアー・エブの直線的で性急さに影響されていたが、このアーバンダンスは後期のYMOバックボーンにある。それがDAFやディー・クルップスと結びついている。このバンドがこのままで80年代後半から90年代初期のEBM/インダストリアル全盛期に生き残っていたら、日本独自のミニストリーの「トゥイッチ」級のEBMアルバムが作れたのではないかと妄想が止まらない。そう考えるとアーバンダンスは日本でしか生まれないという確信にも似た思いがあるような気がする。高橋幸宏の「ニューロマンティック神経症」をコニープランクに任せてEBM化したような……といえば解っていただけるだろうか。特に3曲目の「セラミック・ラブ」はYMOの「キー」をポーション・コントロールにリミックスさせたらというオノ・センダイ製エレクトリック・ボディ・ミュージック。
後期YMO高橋幸宏の80年代ソロ群とDAFやディー・クルップスが融合した日本独自としか思えないEBMに仕上がっている。これを入手するのは困難を極めまた多額の金を払うことになると思うが是非それらを越えて欲しい。それだけの価値があるアルバムだと個人的に思っている。