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Function : Vatican Shadow – Games Have Rules

Games Have Rules

Games Have Rules

アメリカのIan Dominick FernowとFunctionことDavid Charles Sumnerのコラボアルバム。
このIan Dominick Fernowは別名義のPrurientやExploring Jezebelなどでどう聴いても1980年代のホワイトハウスSPKライクな暴力と凶悪が渦巻くパワーエレクトロニクスでレーベル「Blackest Ever Black」と共に「インダストリアル・リバイバル」の急先鋒としてその名をあげているとか。
一方のFunctionは1990年代半ばからデモン・ワイルドとの共作やデモン・ワイルド主宰のSynewaveからジェフ・ミルズ漂うハード・テクノ(ミニマル)ものを出していたニューヨークテクノの雄。
片やノイズ・インダストリアル、片やニューヨークのハード・テクノという何の接点も見つからない二人が共作?と首を傾げる向きもいると思うが、実際に音源を聴いてみると、驚くくらい良いから不思議。ダーク・アンビエントとテクノ、そしてインダストリアルとの融合と表わせばいいのか。「Blackest Ever Black」からのリージスのコンピにも通じるどこかで聴いたことあると同時に聴いたことが無いものを味あわせてくれる。
もともとVatican Shadow名義は1990年代のワープ辺りのインテリジェント・テクノを思わすような構成とキャバレー・ヴォルテールや初期のフロント・ライン・アッセンブリーを思わす冷ややかなビート・インダストリアルが同居するという特異な音楽ではあった。で、本エントリの音源を聴くと、従来のVatican Shadowをよりアンビエントによりダビーにしたような感じだ。冒頭のふわふわとしたシンセのメロディと歪んでくぐもったベースライン。雲をつかむというか雲の中にいるかのような気分にさせてくれる。アルバムを通してダークで雲の中だったりその外だったりで天候の悪い山を登っているかのような気分を終始味わう。でも暴風、暴雨という訳でもなく、しとしとと雨が降る、そんなアンビエンスが体感できる。
これからの時期に最適な一枚。梅雨時の雨なのか曇りなのかが曖昧……そんな憂鬱な景色を眺めながら聴きたい。