川田まみ - LINKAGE(初回限定盤)(DVD付)

LINKAGE(初回限定盤)(DVD付)

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3rd。
前作のような「Joint」に代表されるようなゴリゴリのハード・ロックは無くなり、「とある魔術の禁書目録」のOPを中心としたトランスな曲が増えた。また前作にあった明るくJ-POPな曲も減った。ロックではあるがヘヴィなトランス、哀愁あるポップス&ロックが大半を占める。ちょっとKOTOKOの去年でたアルバムに似ているところもあるが、KOTOKOのアルバムにあった硬質な感じはない。前作の明るくポップなトランス、ロックを求める向きには不満だろうが、このダークでマニアックな路線も良い。アルバムの大半が哀愁&ダークな曲で占めるので、単体で聴いたときにはちょっとまっすぐなトランスで面白みに欠けるかなぁと思った「とある魔術の禁書目録」のOP「PSI-missing」が違和感なく聴こえかつカッコよく聴こえる。サイケデリック・トランスを思い起こさせるようなダークで曲がったシンセとギター、アニソン然としたヴォーカルが絡む展開はS.U.N. Projectがアニソンを作ったような感じでカッコいい。
しかしこのアルバムで最も光ってるのは、4曲目だろう。ちょっと電波入ってて、まるでAlter EgoVitalicI’veの傑作電波曲「Princess Bride!」をリミックスさせたようなノイジーなロッキン・エレクトロでカッコいいのだ。性急なエレクトロ・ビートの上をラウドなギター、激しいブーステッド・ベースと早口ヴォーカルが疾走する。
先に書いたとおり、このアルバムには「Joint」に代表されるようなハード・ロックも明るいポップスも無い。そのような方向を求める向きには不満が募るだろうが、ロックなトランス(これをインダストリアル・ロックと言い換えても可)、ダークかつ哀愁漂うポップス&ロックが好きな人には最高のアルバムだろう。