Nine Inch Nails - With Teeth

With Teeth (Dig)

With Teeth (Dig)

前作から5年半かかって発表された4thアルバム。
徒花さんによると、このアルバム前作から5年半という時間が掛かった&前作の内容の濃さからこの妙にあっさりしたアルバムに肩透かし食らって、非難轟々だったらしいのですが、個人的には素晴らしいアルバムだと思います(まあ、あっさりとした点はちょっと……っていうのは分かるけど)。1stがエレボディ、2ndが1stとEPを足したようなインダストリアル・メタル、3rdがそれをさらに暗黒化&深化させたようなアルバムだったのに対して、このアルバムは3rdの深海地から陸地に一気に上がったようなポップなアルバム。音の方は1stに近いというか。でもエレボディっぽさはなくて、1stのシンセ・ポップ、シンセ・ロックっぽさを拡大した風。また80年代の音っぽくもある。これ(80年代的&1st的シンセ・ポップ、シンセ・ロック)は当時の時流(80年代リバイバル)に乗った結果生まれたものだと思っている。しかし80年代&1stの焼き直しではなく、さすがNINと言わせるようなオリジナリティに溢れ、メランコリックなメロディを多用した音作りになっている(全体的にリズムに凝った作りをしているように感じられる)。
2ndや3rdの音の暗黒度や密度の濃さを期待する向きには合わないだろうが、これはこれでよよよい。初めてNINを聴く人にお薦めしたくなるような内容のアルバム。