Muslimgauze - Sufiq

Sufiq

Sufiq

イギリスのアーティストによるプロジェクトのEP。
ムスリムという名が示す通り、このPは中近東な音像を聴かせてくれるのだが、所謂「ワールド・ミュージック」とは全く異なっているのはこのPがノイズ・インダストリアルの系譜で語られていることから解ると思う。
しかしながら、そのノイズ・インダストリアルともまた異なっており、中近東という一巻したコンセプトはあるが、どのジャンルに入れていいのか悩んでしまう。中近東を軸にダヴ、ノイズ、トライバル、トランス、IDM……などがミックスされているので全く(どのジャンルに入れるべきなのか)悩ましいのだ。しかも、どの音源も安易かつ違和感を感じない見事な融合を成功させているのは圧巻。
このEPはその中でもトライバル色が前面に出ていて、彼の作品の中では一番ダンスフロア向けではないだろうか(そんな場面に遭遇したことはないけど)。どの棚に入れるべきかと問われれば、サイケデリック・トランスだろうか。ダンサブルなトライバル・ビートの上を疾走する中東のアシッドなリフがサイケデリックにトランスしてくれる。隠し味程度のデジタル・ノイズもまた心地よい。
アルバムでは怪しげな中東ダヴ、アンビエントIDMなどを聴かせてくれるものが多いが、このEPは一貫してトライバルにしてメロディアス。トライバル・トランス、サイケデリック・トランスを好む向きには是非ともお薦めしたい一枚。