Wiseblood - Dirtdish

Dirtdish

Dirtdish

ジム・フィータスとスワンズのロリ・モシマンによるデュオの1st。
超凶悪金属ゴミクズ音楽。打ち込みボディ・ビートとメタル・パーカッションで圧倒する。1987年発表とミニストリーの2ndより後だが、ミニストリーの2ndに残っていたディスコテックなニューロマンティック性は皆無でより削ぎ落とされたハードEBMサウンドは後のNitzer Ebbや同時期のインダストリアル・バンドに影響を与えただろう。このバンドの凄いとこはワンアイディアの勢いで最後まで突っ走る。同時期にロリ・モシマンがプロデュースしていたヤング・ゴッズなんかと比べて頭を使っている素振りが全くない。一方のフィータスでも同じだ。フィータスはジャズのビッグバンドを思わせるインダストリアル界のジェームス・ブラウンとも言えそうな色鮮やかで豪華絢爛(実際にジム・フィータスはジェームス・ブラウンの影響を公言している)。しかし、このワイズブラッドではマントショーなエンターティメント性を排除。メタルビートに合わせて暴力的なまでにヴォイスを喚き散らす。EBMが「テクノロジーを駆使したハードロック」ならば、このアルバムはそれにすっぽりと当てはまるだろう。特に今まで書いてきたものに一番当てはまってしまう7曲目の「Motorslug」はサイコーなエレクトロニック・ボディ・ミュージック
ジム・フィータス、ロリ・モシマンの今現在のキャリアにおけるもっともEBMな一枚。トミー・シュタンプや今は亡きコニープランクの系譜はこのアルバムにある。入手は困難だが見つかったら案外安値で手に入ると思う(自分も600円で入手)。EBMフリークは是非とも聴いて欲しいと思う。デジタル・リマスター希望盤。