Vomito Negro - Dare


ベルギーEBM/インダストリアル/アンビエントバンド。
88年発表のミニアルバム「Dare」に初期の12inch音源を加えたコンピレーションアルバム。
Kkレコードということで直球EBMを期待しましたがちょっと違ってました。以前EBMの起源は大きく分けて3つあると書きましたが、このバンドには3つの起源に当てはまらないEBMになっている。ではどの起源に当てはまるのかと言えば90年代に現れたトランスを取り入れたものに近い。でも基本はDAFっぽいEBMSkinny Puppyの初期ダークアンビエントなのですが、展開がその後のトランス(ジャーマンやサイケデリック)を取り入れたEBMで88年で既に未来を予見しているような音でかなり吃驚しました。まあ同時代音で近いのはニュービートあたりかな。このニュービートというのは何度も書いたかもしれないけど、商業的なEBMに対して反旗を翻した&速くなりがちだったEBMBPMを落としてよりグルーヴを出すといったジャンルで……と書いても分からないと思うので簡単に説明すると、EBMのスローヴァージョンといったところでしょうか。あとEBMにハイエナジーを取り込んだ音楽でもある。また後のジャーマン・トランスやゴア、サイケデリック・トランスの起源。と、ここまで書いてきてなんだろうと思うかもしれないが、考えが変わった。これは同時期の典型的なニュービートだね。
ビートはボディだが後のジャーマン・トランスやゴア、サイケデリック・トランスを感じるダークでトランシーなシンセ&展開で初期Zoth OmmogやNew Zoneから出てきそうなニュービート。
かなり入手は困難だろうと思われるが、80年代後半のニュービートとEBMを感じるには最適なコンピ。