A Split - Second – Ballistic Statues

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ベルギーEBMバンドの1st。
このバンド、所謂ベルジャンニュー・ビートの祖みたいなバンドでよくこのジャンルを語る際に引っ張り出されるバンド。でそのニュービートって何なんよ?と問われれば、知らんwぶっちゃけEBMと大差ないよ自分的にはね。まぁ作り手の思想と点では違っててフロント242の人達とかこのジャンルには冷笑的で商業的だとか幻想だとかディスコ音楽だとか語ってます。で一方のニュービートはフロント242を指して詰めが甘いと批判していたりするw
このことからEBMはロック寄りでニュービートはダンスフロア寄りというのが解ったりする。これが実は大きな分水嶺で前者がオルタナ、メタルに行ったり、後者がトランスへ行ったりしている。だから自分の中ではダンサブルであったりトランシーな上物が聴こえてきたりしたらニュー・ビートと判断している。
でアルバムの内容に移ると、まだその辺りが未分な感じでEBMです。このアルバム発表が1987年だからホント前述した通りパイオニアであることが解ったりする。ポジティヴ・パンクな趣を残したまま(ヴォーカルがシスターズ・オブ・マーシーみたいな声)フロント242なサイバー・パンクと結託して、なかなか面白いし魅せる。というかこの時期(1987年)フロント242が「Official Version」を出した辺りだからEBMも割と黎明期だな。ちなみにこのEBMが出始める前は電子音楽シーンが停滞していて、EBM台頭はその手の音楽に飢えていた向きには砂漠での水如く、皆よく聴いていたそうです。事実あのアメリカで受けて未だにその手の音楽が一定生まれていたりする。それはNINが良い例でアメリカはインダストリアル/EBMの一大産地とも言えるだろう。
ちなみにこの「ニュービート」はアルバム単位で出てたりCDで出ているものが少ない。ので聴きたい向き(自分以外にいるのか?)はコンピとかを買ってください。狙い目は1980年代から1990年代初頭で題に「テクノ」と入ってるCDです。アーティスト名がそれ系だったりでも買ってもいいが、この手のジャンルにありがちな「捨て名義(今で表わすと「捨てアカウント」)」があるので前述した通り題に「テクノ」が入っていても、いざ聴くと「ニュービート」かつ「EBM」なことが多いです。とはいえジャンルの混在が激しかった時代なのでアシッド・ハウスだったりすることもある。
入手は難しいが、案外貴方の街のブックオフにあったりする(自分もそうだった)。奮闘してもらいたいブックオフで。お薦め。