Thomas Leer - 1979

1979

1979

スコットランドのアーティストによる1979年録音のアルバム。今年になって出たようです。
この人はロバート・レンタルとあのスロビッング・グリセル主宰のレーベル「インダストリアル・レコーズ」からアルバムを出してたりする人だったりするのだが、自分は聴いてなかったり。というかこのアルバムで初めてトーマス・リアーの音に触れた。
しかし、聴いてみるとそのインダストリアルさはあんまり無くて、スーサイドやジャーマン・ニューウェイヴっぽいといいますか。ジョイ・ディヴィジョンの残った面子がイタロ・ディスコやハイエナジーじゃなくてクラスターとかタンジェリン・ドリーム、アシュラなんかのジャーマン・プログレにハマってニュー・オーダーを結成したらこうなるかも……って趣。享楽の方向性がアシッドに向かっているといいますか……。初期のキャバレー・ヴォルテールからノイズを抜いたような感じとも聴ける。
ダークな部分はポジティヴ・パンクっぽいのだけど、エレクトロニクスの使い方はスーサイドやアタタックの連中みたくカオスでアシッド。デア・プランのメンバー、ピロレーターの初期ソロ作品に近い感じ。
ジョイ・ディヴィジョンと初期ピロレーターが交差するとき……。お薦め。