Cardopusher - New Cult Fear

New Cult Fear

New Cult Fear

  • 発売日: 2017/07/14
  • メディア: MP3 ダウンロード
スペインはバルセロナを拠点とするアーティストの5th。南アフリカベネズエラ出身だそう。
Boysnoize Recordsからのリリース。Boysnoizeと言えば何世代化は忘れたが、フレンチ・エレクトロの雄だという認識があり(レーベルの拠点はドイツ)、またディスコテイストなサウンドが主……という認識もあったが、これはエレクトロニック・ボディ・ミュージック!しかも1980年代末期から1990年代初頭のアシッド・ハウス+EBMのニュービートも有りで全編に亘って魅せてくれる。エレボ路線だったころのキャブスや漢三部作の時のDAFのような官能的なトラックもあり飽きさせないのが凄い。まぁ主宰者たるBoysnoizeも聴いてみると非常にEBMテイストが濃いパンキッシュなエレクトロを多く出しているようだ。
このカード売人なるアーティストはMurder Channel Recordsというハードコア・テクノ、ブレイクコア、ガバといった音源を主体に出すレーベルからもリリースしていたようで、その彼がエレクトロテイストの音源を出した際にEBM化するのも頷ける。なぜなら前述した時代にニュービートを出していたアーティストの一部はその後、ハードコア、ガバに流れて行ったからだ。Wax Trax!からEBM、ニュービートを出していたグレイター・ザン・ワンがその代表だろうか。後にGTOと改名し、また数多の名義でハードコアとガバを輩出して行きダッチ・ハードコアの旗手となった。最近、その片割れがテクノヘッド名義で復活したようだ。
ジャスティスの1stやBoysnoizeなどなど2000年代後半に現れたフランスのエレクトロ系アーティストを見逃していたが、非常にEBM色の強い音像を構築していたことにこのアルバムで気が付かされた。今後、要チェックなレーベルが増えたことに(資金的な意味で)嬉しい悲鳴を上げながらこのアルバムをお薦めしたい。